遺言書の確認方法

6-1 遺言の確認などはどうすればよいですか。(自筆証書遺言の場合)

自筆証書遺言の場合は、亡くなられた方が生前に遺言書があることを話していたか、などがポイントになります。書庫、自宅金庫、貸金庫(一定の手続が必要になります)などをまず調べてみることが必要です。
また法務局などの公的機関で、自筆証書遺言の原本を保管する制度も始まりましたので、法務局でも調べてみることが必要です。
自筆証書遺言が見つかった場合には、開封せず、家庭裁判所で検認の手続を受けてください。
検認の手続きとは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

6-2 遺言の確認などはどうすればよいですか。(公正証書遺言の場合)

公正証書で作成された遺言書のうち、平成元年以降のものについては、日本公証人連合会の遺言書検索システムを利用して、検索することが可能です。
この遺言書検索システムは最寄りの公証役場から日本全国で作成された公正証書遺言を検索することが可能です。
それより前に作成された公正証書遺言の場合には、原本が公証役場に保管されていますので、相続人は遺言書が作成された公証役場を推測して、遺言書の有無を確認(遺言書の検索)することになります。

6-3 遺言執行者の指定

遺言執行者とは、遺言に残された内容を実現する人です。
遺言の内容に従って、預金を解約して分けたり、有価証券の名義換えをしたり、土地・建物の名義変更をしたりすることで、これらの行為を「遺言の執行」といいます。
公正証書遺言の場合は、かならずといっていいほど遺言執行人が指定されていますが、これは遺言の実現には、遺言執行人がとても重要であることが理由です。
実際には、遺言執行人は金融機関や証券会社などへ出向いて手続きを行い、また法務局へ行って相続登記の申請を行い、また必要があれば不動産を売却してその代金を分けなければなりません。
それほど重要かつ大変な仕事なのです。

6-4 遺留分の減殺請求があるかもしれません

遺留分は、被相続人が所有していた相続財産について、一定の相続人に、一定の割合の承継を保障するものです。 相続人が直系尊属のみの場合は、被相続人の所有していた財産の3分の1が総体的な遺留分となり、相続人がそれ以外の場合は被相続人の所有していた財産の2分の1が総体的な遺留分となります。
各相続人の個別的な遺留分は、上記の総体的な遺留分に法定相続割合を乗じた額となりますし、そこから実際に相続した財産を差し引いた残額が、遺留分を侵害された額となります。
相続人が自分の遺留分が侵害されていることを知った場合に、遺留分権を行使してその侵害されている相続財産を取り戻すことができますが、遺留分権を行使しなければ、遺言はそのままということになります。
遺留分の権利をもつ相続人は、配偶者、子、直系尊属で、兄弟姉妹には遺留分はありません。

6-5 相続の効力に関する見直しがされました

亡くなった方が、その不動産を長男に相続させる旨の遺言を残していた場合、今までは、登記をしなくても第三者に対抗できるとの取扱いが判例でなされていました。
このような取り扱いは、遺言の内容を知り得ない相続債権者等の利益を害するため、現行法を見直し、法定相続分を超える部分の承継については、登記等の対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないこととされました。

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