遺留分とは

2-3 遺言に関しては遺留分に注意してください。

遺留分は、被相続人が所有していた相続財産について、一定の相続人に、一定の割合の承継を保障するものです。
被相続人が遺言で、相続人以外の人にすべての財産を遺贈するとしていても、相続人には遺留分がありますし、また妻にすべての財産を相続させると遺言をしていても、子供などの相続人には同様に遺留分があります。
しかし遺留分が侵害されていた場合に、当然にその遺言の効力が無効になるわけではなく、その権利者が遺留分権を行使しなければ、遺言はそのままということになります。
遺留分の権利をもつ相続人は、配偶者、子、直系尊属で、兄弟姉妹には遺留分はありません。
また相続人が直系尊属のみの場合は、被相続人の所有していた財産の3分の1が総体的な遺留分となり、相続人がそれ以外の場合は被相続人の所有していた財産の2分の1が総体的な遺留分となります。
各相続人の個別的な遺留分は、上記の総体的な遺留分に法定相続割合を乗じた額となりますし、そこから実際に相続した財産を差し引いた残額が、遺留分を侵害された額となります。
遺言をする場合には、各相続人の個別的な遺留分を侵害しないような内容にすることが、トラブルを回避するうえで非常に重要です。


19-1 遺留分の減殺請求の改正

遺留分は、被相続人が所有していた相続財産について、一定の相続人に、一定の割合の承継を保障するもので、すでに2-3において概要を説明しました。
平成30年の民法改正において、この「遺留分減殺請求権」が「「遺留分侵害請求権」に名称変更されました。
この名称変更の意味するところは、改正前は遺留分を侵害された「相続財産の返還」という物的請求権であったものが、それに相当する「金銭の支払請求」という債権的請求権に改正されたということです。
相続財産のほとんどが事業用財産である場合に、従来の遺留分減殺請求により事業用財産の返還を請求されると事業の継続に困難を来しますが、この改正により、金銭の支払請求に代わりましたので事業用財産は保全されます。
さらに遺留分侵害額を弁済する現金・預金が無い場合には、請求を受けた者の請求により、裁判所はその支払いについて一定の猶予期限を許可することができるようになりました。

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