相続分

9-1-1 まず法定相続分という相続分があります。

誰が相続人となれるかは16(1)の「法定相続人とは」の項目で記載しました。
配偶者は常に相続人になり、血族相続人は第1順位から第3順位までのうち、順位が早い者のみが法定相続人となります。

第1順位 子(またはその代襲者)
第2順位 直系尊属(亡くなった人の父母などで亡くなった方と親等の近い者)
第3順位 兄弟姉妹(その代襲者である甥、姪)

民法はこの法定相続人が遺産を相続できる割合を、原則として法定相続分で定めています。
具体的には、相続人が配偶者と子のみである場合には、法定相続分は各2分の1ずつとなります。
相続人が配偶者と直系尊属である場合には、配偶者の法定相続分は3分の2となり、直系尊属の法定相続分は3分の1となります。
次に相続人が配偶者と兄弟姉妹である場合には、配偶者の法定相続分は4分の3となり、兄弟姉妹の相続分は4分の1となります。
子、直系尊属そして兄弟姉妹が複数いる場合には、上記の法定相続分をその人数で均等に分けることになります。

9-1-2 次に遺言で相続分が指定されている場合です。

被相続人(亡くなった方)は、遺言によって共同相続人の全部または一部の者について、法定相続分と異なる相続分を指定することができます。
この遺言によって指定された相続分を指定相続分といいます。
また被相続人は遺言で、相続分を指定することを第三者に委託することができます。
ただし被相続人または指定された第三者は遺留分に関する規定((4)1)に反することはできないことに注意をしてください。
遺言による相続分の指定のみでは、相続する具体的な財産が決まらないので、相続人は指定相続分に基づいて具体的に遺産分割をする必要があります。

9-1-3 相続人の合意で相続分を決めることはできますか。

相続人は被相続人の遺言内容と異なる遺産分割協議をすることができるのでしょうか。
その答えは、遺言が遺産の分割方法を定めている場合又は相続開始から5年を超えない期間を定めて遺産分割を禁じている場合を除き、相続人はいつでもその協議で遺産分割をすることができます。
ただし次のような条件が守られていなければなりません。

・相続人の全員が遺言の存在とその内容を知ったうえで、遺産分割協議をしていること。
・相続人以外に受遺者がいる場合には、受遺者が同意していること。
・遺言執行者がいる場合には、遺言執行者が同意していること。

また遺産の分割について、共同相続人の協議が整わない場合、又は協議自体をすることができない場合には、各共同相続人はその分割を家庭裁判所に請求することができます。

より良い相続のために

スムーズな相続には専門知識が必要です。
相続税対策に強い税理士法人シンワ綜合税務は、豊富な実績と経験で自信をもって支援しております。
行政書士に関する業務は併設するシンワ行政書士事務所が担当します。
相続を円満に進めたい。相続の準備を考えたい。財産と相続税がどれ程になるのか。事業継承を進めたい。
などぜひご相談ください。