みなし相続財産

12-1-6-1 生命保険金等の存在とその課税関係を確認します

亡くなられた方が生命保険の契約をしていたかどうかは、保険証券が手元にある場合はその証券で確認します。
しかし保険証券が見つからない場合は、支払った保険料の領収書で確認し、また源泉徴票や所得税の確定申告書に生命保険料控除の記載があるかを見ます。
そして記載があれば生命保険会社を調べて契約の有無を確認します。

被相続人(亡くなった人)が被保険者であってその死亡により保険金を受け取る場合、その生命保険金の受取人が誰であるかによって取り扱いが変わってきます。
受取人が相続人である場合は、その保険金を相続財産とみなし、相続人以外の者である場合は遺贈財産とみなして受取った人の財産となります。
そして受取人が相続人である場合は一定金額(500万円×法定相続人数)が非課税となります。
受取人が被相続人である場合は、亡くなった被相続人が一旦保険金を受け取り、それを相続人間で相続することになりますので、誰が取得するか遺産分割の対象となります。

12-1-6-2 退職手当金等の課税関係

被相続人(亡くなった人)に支給されるべきであった退職手当金、功労金で、死亡してから3年以内にその支給額が確定したものは相続財産としてみなして課税されます。
退職手当金は勤めていた会社から支給されるもの以外に、個人で契約していた他の団体から支給される退職金等(例えば中小企業基盤整備機構から受ける小規模企業共済の退職金など)も含めます。
また被相続人が務めていた会社から弔慰金や花輪代といった名目で金銭が支給される場合も、それが高額な場合には実質的に退職金に該当するか判定しなければなりません。
死亡退職金は受取人を定めている場合がほとんどなので、通常、受給権者が自動的に確定しますが、受取人が定められていない場合は遺産分割の対象になります。
相続人が取得した退職手当金等は、生命保険金等と同じように一定の金額(500万円×法定相続人数)が非課税となります。

12-1-6-3 生命保険契約に関する権利の評価

保険の契約は、被保険者、保険契約者、保険料負担者、保険金受取人と色々な言葉が出てきますので、保険証券でそれぞれ誰が該当するのか確認します。
被相続人(亡くなった人)以外の者が被保険者である生命保険契約の場合で、その保険料を被相続人が負担していた場合には、生命保険契約に関する権利(解約返戻金相当額)を相続財産に含める必要があります。
被相続人以外の者が被保険者であるため、保険事故は発生していないことから保険金の収入は無く、相続財産として見落としがちです。
保険会社に問い合わせをして解約返戻金相当額の算定をお願いして、その金額を相続財産に含めます。
だだし、返還金の支払いがない掛け捨ての保険は相続財産に含める必要はありません。

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